NEWS

2018.12.08 土地・建物活用における新しい選択肢「時間貸し」の留意点

土地や建物の活用方法に悩んでいる人は、「時間貸し」をするという新たな活用方法をご存知でしょうか。人によっては非常にメリットの大きい活用法なので、ぜひ仕組みや特徴を把握しておきましょう。

 

 

土地・物件活用の一手「時間貸し」とは

土地や物件の活用法は、たとえばアパート経営や民泊、マンスリーマンションの運営などが挙げられます。ただ、初期費用が高額になったり、管理が面倒だったり・・・と中々一歩を踏み出せない方が多いのも事実です。

しかし、土地や建物を放置しておくのはもったいない…という人は、時間貸しを検討しましょう。要は、その土地や物件を時間単位で貸すことで、対価としてお金をもらうということです。

たとえば、駐車場経営も土地の時間貸しであり、レンタルオフィスは物件の時間貸しです。ほかにも、貸し会議室・トランクルーム・コインランドリーなどが挙げられます。

収益物件における「時間貸し」の有用性とは

さて、そんな土地や物件という、いわゆる収益物件における時間貸しのメリット・デメリットを解説していきます。

 

時間貸しのメリット

時間貸しのメリットは以下の点です。
・初期投資の費用を抑えられる
・物件の特性がそれほど関係ない

まず、初期費用を抑えられるという点です。たとえば月極駐車場であれば、土地を区割りするだけなので初期費用はほぼゼロです。仮にコインパーキングにしても、コインパーキング業者が初期費用を負担します。レンタルオフィスにする場合は備品のリースなどがありますが、建物を建築するよりは随分安価です。

また、そこに住むわけではないので、たとえば「遮音性が低い」「仕様・設備のグレードが低い」などはそれほど関係ありません。さらに、働き方が多様化してきた中で、レンタルオフィスとしての需要は増加しつつあるといえます。

現に「シェアオフィス」や「コアワーキングスペース」などが流行っていて、どこでも仕事をするノマドワーカーという言葉も定着しています。つまり、オフィスは一定の場所だけでなく、各地で需要がある時代になっているというわけです。

 

時間貸しのデメリット

一方、時間貸しのデメリットは以下の点です。
・収益が読みにくい
・立地性が重要になる

まず、月単位ではなく時間単位なので収益が読みにくいです。貸し出し時間が多い月と少ない月では、もしかしたら倍以上の差が開くかもしれません。また、レンタルオフィスにしろコインパーキングにしろ、需要のある立地でないと収益は上がりません。

つまり、オフィスに向いているか?コインパーキングに向いているか?月極駐車場に向いているか?と、それぞれの目的に沿った立地であるかという点を検証する必要があり、その難易度が高い点はデメリットといえます。

 

稼働率を高める施策例

さて、そんな「時間貸し」での物件・土地稼働率を高める施策には、以下のような施策があります。
・用途に合った立地かを検証
・リピートしてくれる環境を整える
・手軽な予約システム

まず、前項に通じることですが、用途にあった立地かを検証します。たとえば、住宅街であれば月極駐車場には向いていますが、貸し会議室やレンタルオフィスには向いていないでしょう。また、車を目の前に停められるような場所でないとトランクルームの運営は難しいです。

そのような点を見極め、数ある時間貸しの中でどれを選択するかを決めなければいけません。さらに、時間貸しは賃貸物件の運用と違い、ずっと同じ人が借りるわけではありません。そのため、時間貸しで収益を上げるためには、リピーターが大事です。

そんなリピーターを確保するための環境を整えるのは必須といえます。いくら初期費用を抑えられるからといって、レンタルオフィスにWi-Fi環境もなければ話になりません。また、最低限の備品は必要ですし、ウォーターサーバーなども喜ばれるでしょう。

この「環境」に関しては、周辺で同じ時間貸しとして活用している事例を見に行くことが重要です。そして、時間貸しの利用者は前もって予約する場合に加えて、突発的に需要が発生するケースもあります。そのため、リアルタイムで手軽に予約できるシステムを使わないと稼働率は中々上がらないでしょう。

 

用途に合わせた綿密な戦略を

このように、時間貸しのサービスを始めるときは、まず一般的な居住用の不動産投資戦略とは全く違う点を認識しましょう。新たに市場調査をしたり、顧客のニーズを把握したり…という点が一番の要となります。

興味のある時間貸しの方法があれば、同じことをやっている土地・物件に一度行ってみると良いでしょう。そうすれば、顧客のイメージが湧いて、運用していくイメージも湧き、土地・物件活用に役立ちます。