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2018.12.10 【不動産投資】融資を引き出す前に知っておきたいファイナンスの基礎②

さて、今回お話をするのは、不動産投資をするなら知っておきたいファイナンスについてです。前段として、ローンの元金と利息、そして元金均等返済について解説した「ファイナンス①」があるので、まだそれを読んでいない方はファイナンス①を読んでからこの記事をお読みください。

 

 

不動産投資における「元利均等返済」とは

さて、ファイナンス①では元金と利子について、そして一定額の元金を返済し続ける「元金均等返済」について解説しました。ただ、ファイナンス①でもいったように、一般的にはもう1つの元利均等返済を利用することが多いので(理由は後述)、ここでは元利均等返済について解説します。

簡単にいうと、元利均等返済は「元金」ではなく「利子を含めたローン支払額」を一定にする返済方法です。元金均等返済は、返済する元金を一定額にすることで少しずつ元金が減っていくので、それに応じて利子も減っていきます。つまり、少しずつローン支払額が減るという点が元金返済の特徴です。

一方、元利均等返済の場合は支払額が一定なのが特徴です。そんな元利均等返済の計算式は以下です。
毎月の返済額=「(借入金額×利率×(1+利率)返済回数)/(1+利率)返済回数-1」

このように、元利均等返済の計算は複雑なので覚える必要はありません。とにかく、「銀行が元金と利子を調整してくれ、それによって毎月の返済額が一定になる」という返済方法だと認識しておけば十分です。

また、ローン支払い額のうち元金と利子の割合は年々変わるので、「元金が減っていきローン支払額が減る」という仕組みでもありません。

 

元利均等返済のメリットは

さて、ではなぜ元金均等返済ではなく、元利均等返済が利用されるのでしょうか?その理由は、以下の点です。
・当初の支払い額を減らせる
・CFの計算が楽

実は、元金均等返済は元金をどんどん返済していくので、元利均等返済よりも早いペースで元金を完済できます。一方、元利均等返済は返済額の内訳を調整しているので、最初に元金を返済する割合が少ないのです。

つまり、総返済額に直すと元利均等返済の方が元金均等返済よりも高額になります。しかし、このデメリットを補ってあまりあるのが、上記のメリットなのです。

 

当初の支払い負担を減らすことができる

さて、元金均等返済は、最初から元金を返済していくスタイルの返済方法でした。返済する元金は常に一定なので、元金が減るごとに利子も減っていきます。そのため、元金が高額である「借入当初の返済額」が高額になり、それ以降は利子が減ることで少しずつ返済額が少額になっていきます。

つまり、元金均等返済はトータルで考えたら総返済額は安くなりますが、当初の負担が多すぎるというわけです。一方、元利均等返済は、金利変動がない限り全期間通じて支払い額が一定します。そのため、当初の返済負担額が、元金均等返済よりも下がるというメリットがあるのです。

たとえば、5,000万円を借り入れて、金利3%、借入期間25年の場合には、以下のような支払額の違いが生じます。
・元金均等返済:月々支払い額291,666円(どんどん下がっていく)
・元利均等返済:月々支払い額237,105円(常に一定)

仮に、この借入者が支払い可能な月々返済の上限が25万円であれば、元金均等返済だとこの条件で5,000万円の物件購入ができません。つまり、元利均等返済にすることで、物件の選択肢が広がるということです。

 

時間貸しのデメリット

一方、時間貸しのデメリットは以下の点です。
・収益が読みにくい
・立地性が重要になる

まず、月単位ではなく時間単位なので収益が読みにくいです。貸し出し時間が多い月と少ない月では、もしかしたら倍以上の差が開くかもしれません。また、レンタルオフィスにしろコインパーキングにしろ、需要のある立地でないと収益は上がりません。

つまり、オフィスに向いているか?コインパーキングに向いているか?月極駐車場に向いているか?と、それぞれの目的に沿った立地であるかという点を検証する必要があり、その難易度が高い点はデメリットといえます。

 

稼働率を高める施策例ト

さて、そんな「時間貸し」での物件・土地稼働率を高める施策には、以下のような施策があります。
・用途に合った立地かを検証
・リピートしてくれる環境を整える
・手軽な予約システム

まず、前項に通じることですが、用途にあった立地かを検証します。たとえば、住宅街であれば月極駐車場には向いていますが、貸し会議室やレンタルオフィスには向いていないでしょう。また、車を目の前に停められるような場所でないとトランクルームの運営は難しいです。

そのような点を見極め、数ある時間貸しの中でどれを選択するかを決めなければいけません。さらに、時間貸しは賃貸物件の運用と違い、ずっと同じ人が借りるわけではありません。そのため、時間貸しで収益を上げるためには、リピーターが大事です。

そんなリピーターを確保するための環境を整えるのは必須といえます。いくら初期費用を抑えられるからといって、レンタルオフィスにWi-Fi環境もなければ話になりません。また、最低限の備品は必要ですし、ウォーターサーバーなども喜ばれるでしょう。

この「環境」に関しては、周辺で同じ時間貸しとして活用している事例を見に行くことが重要です。そして、時間貸しの利用者は前もって予約する場合に加えて、突発的に需要が発生するケースもあります。そのため、リアルタイムで手軽に予約できるシステムを使わないと稼働率は中々上がらないでしょう。

 
このように、不動産投資において重要な融資、その中でも知っておくべきファイナンスについて解説しました。融資を知るということは精度の高い収支計画を策定できるということであり、それが不動産投資には重要です。ファイナンス①も含め、不動産投資を行う前におさらいしておきましょう。