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2018.12.14 不動産投資の物件購入で失敗した、と思った時に取れるSOS策②

この記事では、前回に引き続き仮に不動産投資の物件購入に失敗した場合、オーナーとしてどのようなSOS策があるか?について解説します。まだSOS策①を読んでいな方はそちらを読んでからSOS策②をお読みください。

 

 

さて、SOS策①では不動産投資でも損切りは可能であるものの、相当の痛みを伴うという話、そして、損切りをしても不動産投資は長期スパンの投資なので、トータルでは十分に回収できる可能性があるという点を解説しました。

本記事はSOS策①とは違い、損切りはしない前提です。つまり、今の物件を保有したまま、何とか黒字転換するためのSOS策になります。

 

管理会社を変更する

まずは管理会社を変更するという方法です。これは、主に空室が続き赤字運用になっているケースに有効でしょう。というのも、一般的な物件管理には「入居付け業務」も含まれているので、検討者の集客や内見の案内も管理会社が行います。

つまり、この管理会社の良し悪しによって、物件の見学者数はもちろん、そこから成約に至るかどうかも変わってくるのです。もしかしたら、物件の空室が続くのは、管理会社の集客力・交渉力が弱いからなのかもしれません。

そのため、仮に大家の知人がいる場合は、その大家から情報を聞き出すのが良いでしょう。また、ネットの口コミや管理会社の日頃の対応を振り返ることや、内見の様子を一度見に行くことなどで、管理会社の良し悪しを見極めるという方法もあります。

その上で、管理階会社の質が悪いと判断すれば、より良い入居付けができる管理会社への鞍替えを検討することをおすすめします。

その場合、同じような物件種類の実績があるかどうか?どのくらいの管理実績があるか?自分のエリアの管理実績は多いか?をチェックしましょう。その実績が物件の集客力と、成約率に関係していきます。

 

リフォーム・リノベーションで物件の魅力アップ

また、ほかのSOS策としては、リフォーム・リノベーションをすることで、物件の魅力をアップさせるという方法があります。その際は以下が重要です。
・ターゲットのイメージ
・費用対効果の計算

まず、ターゲット(誰が住むか?)をイメージしましょう。不動産投資で失敗しているということは、ターゲット選定が間違っている、もしくはターゲット選定は合っているものの、そのターゲットに部屋が評価されていないということです。

仮に前者であれば、そもそものターゲットを考え直さなければいけないので、リフォーム・リノベーションをする段階ではありません。後者であれば、そのターゲットが何を求めているか?をリフォーム・リノベーションで実現させましょう。

たとえば、女子大学が近くにあり、入居者には女子大学生が多いと仮定します。その場合、ターゲットである女子大学生はセキュリティや水回りを気にする可能性が高いです。そのため、防犯カメラの設置や、玄関ドアの二重ロック、水回り設備の入れ替えなどが有効的でしょう。

一方、男性がメインターゲットの場合、そのようなリフォーム・リノベーションは大して効果がないかもしれません。そのため、ターゲットを見極め、リフォーム・リノベーションによって家賃アップは可能か?空室状態は改善するか?という「効果」を考え、リフォーム・リノベーション費用と対比させましょう。

その費用対効果をきちんと考えた上で、リフォーム・リノベーションを実施するかの判断をします。リフォーム・リノベーションに関してもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。

参考:金になるリフォーム、金にならないリフォーム

 

投資家ならではの冷徹な目線で物件を評価しよう

突然ですが、心理学効果に「サンクコスト」(sunk-cost)というものがあります。これは、「既に回収が不可能であるコスト」という意味です。投資家はサンクコストにも関わらず「資金を投じた分、得をしないと収まらない」という心理に煽られている危険性があります。

つまり、回収不可能なのに無駄にもがいてしまうということです。上述した「管理会社変更」や「リフォーム」は、確かに物件の運用を改善させるための手段です。しかし、この対策をすることで「より傷口を広げてしまう」という可能性もあります。

何が言いたいかというと、サンクコストであることを自覚しているにも関わらず、上述の改善策を実行するのは避けた方が良いということです。ときには、SOS策①で講じた勇気ある撤退をした方が、長い目で見ると良いかもしれません。その判断を間違えないようにしましょう。